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掲載日2021年5月26日

【重要】新型コロナウィルスワクチン接種と骨粗鬆症治療薬の休薬方針について

骨粗鬆症治療中の患者さんに対する新型コロナウィルスワクチン接種時の注意事項
~ワクチン接種と骨粗鬆症治療薬の休薬方針について~

 新型コロナウィルス感染症の渦中であっても、骨粗鬆症の治療を続けることは重い骨折を防ぐ上で大変重要です。特に骨を強くするお薬や注射を続けることが大切であり、理由もなく中止されてしまうことは是が非でも避けなくてはなりません。ただし、新型コロナウィルスワクチン接種(以下ワクチン接種)時の骨粗鬆症治療にはいくつか注意しないといけない点があります。

 ワクチン接種時の問題としては、接種当日の副作用や接種後の数日間に起こりうる副反応などが挙げられます。これらの副作用が骨粗鬆症治療薬の副作用に類似しているため、特別な事情がない限り両者を同日に実施することは避けた方が無難であると考えられます。

 しかしながら、わが国では日本骨粗鬆症学会やその他の関連団体から掲題に対する提言やガイドラインは発表されていません。一方、海外の骨代謝・骨粗鬆症に関する主要団体からはCOVID-19ワクチン接種時の骨粗鬆症治療について共同ガイダンス(手引き)が発表されています(2021年3月)。
 これらを踏まえて当科では以下の方針で対応することにいたしました。本方針は、現時点における“当院独自の方針”であり、他の医療機関とは異なる内容も含まれている可能性があることをあらかじめご了承ください。

お薬を飲まれている方(のみぐすり)

◆骨吸収抑制薬(朝に目が覚めてすぐに飲むお薬です)
アクトネル、アレンドロン酸、フォサマック、ベネット、ボナロンゼリー、ボノテオ、ボンビバ、ミノドロン酸、リカルボン、リセドロン酸
◆女性ホルモン薬(毎日飲むお薬です)
エビスタ、ビビアント
◆ビタミンD製剤(毎日飲むお薬です)
アルファカルシドール、エディロール、カルシトリオール、ロカルトロール、ワンアルファなど
◆グラケー(毎日飲むお薬です)
◆カルシウム薬(毎日飲むお薬です)
アスパラギン酸カルシウム、乳酸カルシウム
◆デノタス(毎日飲むお薬です:プラリア注射治療を受けている方だけが飲むお薬です)

ご自分で注射をされている方(自己注射)

◆フォルテオ、テリパラチドBS(連日自己注射の方)

◆テリボンオートインジェクター(週2回自己注射の方)

医療機関で注射を受けておられる方

◆骨吸収抑制薬
リクラスト(年1回)、ボンビバ(月1回)、ボナロン(月1回)、プラリア(6ヶ月に1回)
◆骨形成促進薬
テリボン(病院で実施:週1回)、イベニティー(病院で実施:月1回)

サンライズ酒井病院での対応方針について

Q1)骨粗鬆症薬物治療中のワクチン接種は可能でしょうか?

<回答>
ワクチン接種は可能です。
当院ではワクチン接種時期には骨粗鬆症治療薬の休薬をお勧めしています。

Q2)ワクチンを接種する場合、骨粗鬆症治療薬は休んだ方が良いのでしょうか?

1.飲み薬について(すべての内服治療薬)

<回答>
COVID-19ワクチン接種日には骨粗鬆症治療薬を飲まないで下さい。
ワクチン接種翌日からはいつも通りに飲んで下さい。
※ただし、ワクチン接種後の副反応などで体調が良くない場合には治るまで骨粗鬆症治療薬を中止して下さい。
補足)飲み薬は休まなくても良いとされていますが当院では電話や口頭での返答時に双方の混乱や誤解が生じないようにするため一貫して休薬をお勧めすることにしました。

2.注射薬について

<回答>
注射製剤の種類により副作用が異なるため対応法が変わりますので御注意下さい。

①リクラスト、ボンビバ、ボナロンなど(骨吸収抑制薬:ビスホスホネート製剤)
・ワクチン接種日には上記薬剤を注射しないで下さい。
・ワクチン接種日の前後6日間も上記薬剤を注射しないで下さい。

②プラリア皮下注射(骨吸収抑制薬:デノスマブ)
・ワクチン接種日にはプラリアを注射しないで下さい。
・ワクチン接種日の前後6日間もプラリアを注射しないで下さい。
   ※プラリア注射を30日以上延期することは絶対に避けて下さい。
    止むを得ず30日以上延期する場合には医師へ相談して下さい。
・注射部位にご注意下さい。
➡プラリア皮下注射はワクチン注射部位である上腕部を避けて下さい。

③フォルテオ、テリパラチドBS連日皮下注射薬(骨形成促進薬:PTH製剤)
・ワクチン接種日には上記薬剤の注射をしないで下さい。
・ワクチン接種翌日からはいつも通りに注射して下さい。
※ただし、ワクチン接種後の副反応などで体調が良くない場合には治るまで上記薬剤は中止して下さい。
・注射部位にご注意下さい。
➡上記薬剤は必ず下腹部に注射して下さい。上腕部には注射しないで下さい。

④テリボンAI、テリボンW間欠的皮下注射薬(骨形成促進薬:PTH製剤)
・ワクチン接種日にはテリボンを注射しないで下さい。
・ワクチン接種日の前後6日間もテリボンを注射しないで下さい。
・注射部位にご注意ください。
➡テリボンは必ず下腹部に注射して下さい。上腕部には注射しないで下さい。

⑤イベニティー皮下注射薬(骨形成促進薬:ロモソズマブ)
・ワクチン接種日にはイベニティーを注射しないで下さい。
・ワクチン接種日の前後6日間もイベニティーは注射しないで下さい。
・注射部位にご注意下さい。
➡イベニティーは必ず下腹部に注射して下さい。上腕部に注射しないで下さい。

Q3)骨粗鬆症のお薬や注射をお休みすることなくワクチンを接種しましたが、何か問題がありますか?

<回答>
ワクチン接種の日に骨粗鬆症のお薬を飲んだり注射をしても治療や予防の効果には影響しないため心配ありません。
   ※副作用が出てしまった場合に、ワクチン接種の影響なのか骨粗鬆症治療薬が原因なのか、区別がつかないことが起こり得ます。ワクチン接種後に体調の異変を感じられた方はすぐに医療機関へ相談をされ下さい。また体調が回復するまでは骨粗鬆症のお薬や注射はお休みして下さい。

Q4)骨粗鬆症治療薬をこれから新たに開始する予定がある場合はいかがでしょうか?

<回答>
ワクチン接種を最優先してください。
※骨粗鬆症治療薬の新規開始は内服製剤、注射製剤を問わず、ワクチン接種日の7日後以降からとします。



 以上です。上記内容につきましては状況に応じて変更される場合があります。

 判断に迷う場合やご自分が使用されているお薬や注射の名前が分からない場合などには当院地域医療連携部(または主治医)へ相談いただきますようお願いいたします。


2021年5月26日 サンライズ酒井病院 酒井祐一







《参考資料》

● 2020年5月18日
国際骨粗鬆症財団の骨粗鬆症患者さんのための声明
日本語版(日本理学療法士協会との共同翻訳)

● 2021年3月9日

Joint Guidance on COVID-19 Vaccination and Osteoporosis Management from the ASBMR, AACE, Endocrine Society, ECTS, IOF, and NOF

Joint Guidance on COVID-19 Vaccination and Osteoporosis Management from the American Society for Bone and Mineral Research (ASBMR), American Association of Clinical Endocrinology (AACE), Endocrine Society, European Calcified Tissue Society (ECTS), the International Osteoporosis Foundation (IOF), and the National Osteoporosis Foundation (NOF)